カンタキルト:抗えぬこの魅力ってなんだろう…

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arts & crafts
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長らくのご無沙汰でした。ちょっと長すぎましたが…

rejoiceのcicoです。
みなさん、お元気でしたでしょうか?

最後の記事を書いたのは何時かしら?と確認してみてビックリ!
こんなにも時は巡っていたとは…

ただ 不思議と自分の中でご無沙汰感が殆どないのがは なぜか? それは… インスタグラム投稿が日々のブログの代わりになっていたからなんです。
Instagramへはこちらのリンクからどうぞ… @rejoice.cico

こんなに長いことブログをお留守にしてインスタグラムとやらで何をしていたのか?と言いますと、ブログを書き始めた当初に出会ったインドの愛すべき『襤褸布』カンタやラリーを中心としたインドの古いキルトに完全に心を持っていかれておりました。

image by cico : キルトが幾重にも積まれた様… 「沼」の深さ、おわかりいただけますでしょうか…苦笑

 

すっかり心を奪われてしまって『キルト沼』に首までズブズブ… になったのをキッカケに、インスタグラムで『運命のキルトとの出会い』のお手伝いを初めていたのです。

そう、ちょうど『仲人のおばちゃん』のような感じ。

インドやバングラディシュ、パキスタンなどの手仕事で作られた長いときを経たキルトの魅力を細々と発信し、その魅力に気づいた方々に 一生の相棒になってくれるような… そんなとっておきのキルトを見つけるお手伝いです。

気が付けば 3年近くも心地の良い『キルト沼』で過ごしていたのです。あ… 現在進行形です(笑)

インドの長い時を経たキルトとの出会い

これは 以前の記事でも触れたことがありましたが… ダンナさんと一緒に家族へのクリスマスプレゼントを探すため 原宿の表参道へ繰り出した時のことです。素敵なセレクトショップで何気なく飾られた『襤褸布』に目が留まりました…

全体的に擦れてヨレヨレのキルトでしたが、あまりの佇まいの美しさとオーラにその場からしばらく動けなくなってしまったのです。

image by cico : 木漏れ日と柔らかなヴィンテージキルトのある景色… ぼんやり眺めるだけでリラックス。

とても高価でしたし予定外… しばらく店先で愛でたのち、その日は泣く泣くキルトに別れを告げました。その後は日々に忙殺され、キルトのことなんてすっかり忘れてしまったまま 時は過ぎていきました。

その数年後、偶然の『再会』…ご興味があれば 続きは↓の関連記事へ

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カンタ(Kantha)って? その起源や歴史なども

カンタとは インドの東部ベンガル地方(主にバングラディシュおよびインドの西ベンガル州)を中心に古くから伝わる刺し子刺繍を指します。外で働くことの少ない農村の女性たちが、サリーやドゥーティなどの古布を幾重にもつなぎ合わせ、家族のためにキルトにリサイクルされたのが始まりといいます。

image by cico : 色や柄合わせのセンスや偶然が作り出す擦れによるグラデーションがハッとするほど美しいのです

ベンガルの農村で生まれたこの美しい【芸術品】は、19世紀初頭には殆ど姿を消してしまいますが、1940年代にインドの詩人または思想家であり、ノーベル賞受賞者として尊敬を集めるラビンドラナート・タゴールの義娘によって復活を遂げます。

その後も1947年のインドの分割や、それに続く東パキスタン(現バングラディシュ)との紛争で、その復活は再び混乱するものの、バングラディシュ解放戦争(1971年)以後は、貴重な芸術品・工芸品の形として独自の再生を果たし、現在に至ります。

インドのサプライヤーさんやコレクターさんから仕入れるヴィンテージキルトは、どれも息をのむ美しさ。遥かインドやバングラディシュの地で、農村の女性たちがひと針ひと針 途方もない時間を費やして家族や大切なひとのために仕上げたキルト。長い時を経て、海を渡り、日本にいるワタシの手元から、またお客様にお迎えいただく…なんだか不思議な気持ちになります。

一度手にしたら最後… ヴィンテージカンタの魅力

「ブログの記事にするためにも、一度取り寄せて手に取って現物を見たい!!」そう思ったが最後…もう片脚は「キルト沼」に…

インドから到着した包みを前に大興奮!開封する前から、すでになにやらタダモノではないオーラを発しているではありませんか!

image by cico : これが実際に届いた国際小包。 期待感が一気にマックスです!

丁寧に生成の布袋に包まれ、周りをなんと?!手縫いでぐるりとかがってあることに まず最初の驚き。ハサミでチョキンと糸を切りほどいて開封します。←ものすごい緊張と期待感が走ります。そしてそこからチラチラ…と覗くキルトの美しいことといったら!

もうここからは狂喜乱舞!! だって、こんなタダモノではない【襤褸布】を手にしたのは、最初の出会い以来だったのですから。

たかが【襤褸布】されど【襤褸布】なカンタキルト

少し失礼な呼び方だけれど、ヴィンテージのキルトを 愛情をもって【襤褸布】と呼ぶことがあります。

襤褸(ぼろ)の意味を辞書でしらべると…
1) 擬態語『ぼろぼろ』から出た語
2) 使い古しの布 ぼろきれ
3) 着古して破れた衣服、また、つぎだらけの衣服
4) 隠していた都合の悪い点、また、失敗
5) 割れたり、こわれたりしているもの また、役に立たなくなったもの

なんとまぁ…気の毒なほどネガティブな意味合いのオンパレードですが(苦笑)

いやいや…ところがどっこい?! ただの【襤褸布】にあらず?!ネガティブなイメージなんて一瞬で吹っ飛ぶような魅力が溢れているのです。

image by cico : 確かに【襤褸布】されど…

キルトの魅力を思いつく限り書き出せば、軽く原稿用紙100枚は超えてしまいそうなので、少し自分なりに、どの辺りに特に惹かれるのだろう?を掘り下げてみました。

手仕事ってやっぱりスペシャル&プレシャスです!

まずは第一に、手仕事で紡ぎだされるもの全般に特別な想いや尊敬の念があります。

ワタクシ CICOの母は 個人でお客様からのオーダーを受け、洋服をスクラッチから仕立てるスキルのある人でした。当時は未だ珍しかったであろう お客様から預かったエルメスのスカーフをブラウスに仕立てるような…そんなプロ根性の塊のような母は、編み物だってかなりの腕前。まさに『魔法の手』の持ち主。

子供ながらに 母の手から作り出されるイキイキとしたモノたちを日々身近に感じ、ワクワクしながら眺めていたものです。そんな環境で育ったこともあり、手仕事で作られるモノや、それらを作り出す人々に対する尊敬の念は並々ならぬものがあります。

そんなワタシが  ひと針ひと針大切に縫われたキルトに特別な感情を抱いたのは必然の流れ…人の手のぬくもりが感じられるキルトたちは、ワタシの心をガッチリと掴んで放しません!

image by cico : 気の遠くなるような繊細な針目!!

 

曲がってたっていいんです⁈ カンタ刺繍の 不完全な美しさ

人工的な折り目正しい美しさよりも、少し曲がったり、ズレていたり、シンメトリーじゃないものに美しさ見出す傾向があります。きっと自然界には直線とか、直角とか、完全なる真ん丸は存在しないのと同様に、どこか『不完全さ』のあるモノへの方が心を許せるからかもしれません。

image by cico : 柄の幅やサイズは均等じゃないし、ときに柄も抜けていたり。でもどうでしょう?このほのぼのとした柔らかな佇まい。


本業は日々ビシッと正確な数字を求められる職種なのですが、実はすごく苦手分野?!
そんな息の詰まるような日常のストレスを、手仕事で縫われたキルトが上手く緩和してくれている… そんな気がしています。

まさに、ワタシにとっての『精神安定剤』のような役割を果たしているのかもしれません(苦笑)

まるで『針と糸で綴った日記』のよう?!自分の日常を重ね合わせて共感も…

image by cico : 一件 穏やかなキルトの正体は… 昆虫や動物ような不思議なモチーフがいっぱい(笑)

 

人の手で作られたものには 良くも悪くも、制作時の心のありようが反映される面白さがあると思うのです。どのキルトも驚くような緻密なスティッチで覆われているけれど、ときに突然乱れたり曲がったりするのがインドのキルト。連続していたモチーフや色が突如として変わってみたり、時にはすっかり止めてしまっていることだってあります。

● ここで、子供が泣き出してしまったのかな?とか
● お祭りなどの準備で忙しくなてしまって、途中からデザインを簡略化したのかしら?とか
● 夫婦喧嘩か何かでやる気をなくして、途中でやめちゃったのかしら… などなど。

遠いインドやその周辺の国々の作り手たちの日常に想いを馳せ、今の自分のそれに重ねてみたりすると、心がほわっと温かくなったり、クスっと笑ってしまったり。彼女たちの日記をこっそりと覗き見させてもらっているような… そんな不思議な錯覚にさえ陥ります。

生きていると 日々色々あるけど、みんな同じなんだよね… 泣いたり笑ったりしながら、日々を一生懸命生ているのだ!

そんなことを思いながら 励まされたり、共感したり、癒されたり。作り手の息づかいまで感じるような、そんな不思議な親密さのあるインドのキルトに心を奪われてしまうのです。

おわりに…

久々のブログ投稿は、ワタシが長らくうつつを抜かしていた?!愛すべき【襤褸布】こと、カンタキルトについて綴ってみました。抗い難いこの魅力… 少しでも感じていただけたでしょうか。すでにお気に入りを手にしている方は、きっとこの想いに共感してくださるのではないかな…なんて期待しております。

個人的なコレクションに始まり、インスタグラムを通してキルトの紹介や情報発信をするようになってから 世の中の状況は様変わりしました。

コロナウィルスが猛威を振るい、世界中の人々は『ステイ・ホーム』を余儀なくされることに。海外はおろか 国内旅行もままならない世の中になるだなんて、3年前の今頃 いったい誰が想像したでしょう。多くの機会や愉しみが厳しく制限された『失われた数年間』、各々が家で過ごす時間は各段に増えました。

こんな世の中だからこそ、せめて自宅で快適に過ごしたい 切実な想いからでしょうか。または インテリアをこの機会にもっと磨きたいとう前向きなモチベーションからでしょうか。運命の一枚を探す方からのご依頼を多く頂くようになり、ブログから足が遠のいてしまった…という訳です。

ですが、インスタグラムでキルトの投稿を続ける間も『やっぱり… ブログも再開したいなぁ』という想いが募りはじめていました。

だってカンタやラリーキルトに限らず、この世界は素敵なモノで溢れていて、いつだってワタシたちに 発見されるのは待ちわびているんですから(多分…)。

フルタイムの兼業者なので、自由時間の捻出はいつも大きな課題ではありますが
また時々こうして、気になるモノ・とっておきをブログを通してつぶやいたり、マイペースに綴っていこう思っています。

気まぐれ投稿ですが、これからもお付き合いいただけたら幸せです。

 

 

最後までお付き合いありがとうございます。

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それでは今日も口角をキュッとあげて参りましょう~
Rejoice.cicoでした。

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家族3人&1匹(猫)と暮らすフルタイムワーカー。

 

趣味とは無縁に生きてきた20年近く… 空の巣症候群予防のために一念発起してブログをスタート。自分の好きなことや気になることを詰め込んだ『妄想宝箱』を作りを始める。

 

最近はインスタグラムで とっておきのカンタキルトの『仲介人』もしています。

 

@rejoice.cico

 

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